猫は好みにとてもうるさく、中には気に入った猫ご飯しか頑として食べようとしない子もいます。
猫の好みに振りまわされる飼い主は昔から多いようです。
総合栄養食なら大丈夫
猫の嗜好は子供のうちに何を与えていたかで決まります。
その頃に同じキャットフードしか与えなかった場合、他のキャットフードを受け付けなくなることが多いです。
しかし、毎日同じものしか食べないからといって、心配する必要はありません。
総合栄養食であれば、フードと水だけで猫に必要な栄養素を十分に摂取する事が可能です。
とはいえ、猫は年齢によって合うフードが異なります。
シニア期に入ったら、年齢にあったエサに切り替えなくてはいけません。
また、もしも今食べているフードがリニューアルされたり製造中止になった場合、食べられるものがなくなってしまいます。
そのため、一つのエサだけに固定せず、できれば数種類は食べられるフードを見つけておいたほうがいいでしょう。
与えるエサには注意が必要
人間の食事を与えるのはNG
一般食やおやつ、人間の食事などは、たくさん食べると栄養が偏ってしまいます。まして、毎日そればかり食べるような癖がついてしまうと、病気の原因になってしまいます。
毎日主食として与えるのは総合栄養食だけにしてください。
また、人間の食事は塩分が濃かったり、猫の体にとっては有害なものがあります。人の食べ物を与えるのは止めるようにしましょう。
猫に与えてはいけない食べ物はこちらのページにまとめていますので、参考にしてください。
食へのこだわりが強い猫の場合、そういったものを気に入ってしまうと、体調を崩してまでも総合栄養食のキャットフードを食べようとしない子もいます。
おかしな癖をつける前に、飼い主がきちんと食育をしてあげることが大切です。
「猫=魚好き」は日本人のイメージ
日本では猫といえば魚が好きというイメージがあります。野良猫が魚をくわえて逃走なんて曲もありますよね。
けれど、じつは猫が魚を食べる国は多くはありません。猫は水に濡れることを怖がるので、本来なら自分で魚を取って食べることはありえないからです。
日本は四方を豊かな海に囲まれているせいで、昔から魚を中心とした食文化が発達してきました。
以前は、猫には人間の残り物をあげる風潮があったため、日本の猫は魚を食べるようになったのです。とはいえ、一般的に魚の味よりは肉の味のほうが猫に好まれやすいです。
特に近年になってから日本に入ってきた洋猫の血を濃く注いでいる猫は、その傾向が強いです。魚系の味を嫌がるようでしたら、チキンやターキーなど肉の味のエサに変えてみてください。
煮干しにはマグネシウムが多いため尿路器官に異常をきたすことがあり、青魚は食べすぎると黄色脂肪細胞症となることがあるため、魚そのものをエサとして与えるときは注意が必要です。
キャットフードを変えるときの注意
ご飯の切替は時間をかけて
猫は新しいものを恐れる習性があります。元々野生の動物なので、そうして警戒し身を守ってきたのです。
よって、いきなり新しいエサを与えても食べてくれない猫もいます。
あなたが「うちの猫は同じものしか食べない」と思っているのは、エサの切り替えを失敗しているからかもしれません。
エサを切り替えるときは、まずはこれまで食べていたエサに、少しだけ新しいエサを混ぜて慣れさせます。気にせず食べるようでしたら、時間をかけて少しずつ新しいエサの分量を増やしていきましょう。
10日以上かけてゆっくり切り替えていくのが理想です。
猫によっては、フードの中に入っている添加物や成分が合わない場合もあります。
体調を崩したときは様子をみて
一度くらいの嘔吐は猫の習性上よくあることなので心配ありませんが、何度も嘔吐したり、軟便や便秘になる場合はエサの切り替えを中止して様子を見てください。
近では、嗜好性に富んだキャットフードがたくさん売られるようになりました。ウエットフードの中には、人間が食べてもおいしそう、なんてグルメなものまであります。
猫がエサを食べないからと、どんどんエサのグレードを上げていく人がいますが、すると猫は普通のエサを食べなくなってしまうので、気をつけましょう。
毎日与えても財布が傷まない程度のエサを選んでください。
また、嗜好性の強いエサの中には、栄養バランスが悪いものもあります。一般食と書かれているキャットフードは、栄養バランスが整っていないものです。
そういったエサは、おやつやご褒美に少しだけあげる程度にしてください。
フードは鮮度を保つことが大切
じつは猫の舌は人間ほど発達していません。どうやら歯ざわりやにおいで選んでいることが多いようです。
以上の理由から、開封から時間がたったキャットフードは、においが飛んでしまうので、猫にとってはそそられないエサになるようです。
ウエットフードは開封したその日のうちに食べきるようにしましょう。ドライフードの場合は密封容器などに入れ、酸化や劣化を防ぎ、2週間くらいで食べきるのが理想です。
お得だからと大容量のキャットフードを選ぶのではなく、食べきれる大きさのものや、小分けにされたものなど、鮮度を保ちやすいものを選ぶといいでしょう。
愛猫の好みのキャットフードを見つけよう
フードによって配合されている栄養バランスはそれぞれ違うため、一度にいろんなエサを混ぜて与えてしまうと、必要な栄養が取れなくなってしまうことがあります。混ぜないようお気を付けください。
同じエサばかり食べていても心配する必要はありません。
猫は好き嫌いが激しい子が多く、好みのエサを見つけるため四苦八苦しているという飼い主さんも珍しくありません。
まずは自分の猫がどのような食の好みをしているのか理解し、猫に合ったフォローをしてあげましょう。
これまで食べていたフードを食べなくなったら…
猫があれほど大好きだったキャットフードを一切食べなくなっちゃったという人はいませんか?
猫は食にうるさい子が多いと言われていますが、急に好みが変わったり、キャットフードに飽きたりすることなんてあるのでしょうか?
動物に元から備わっている機能のせいかも
野生動物の中には「食物バラエティメカニズム」という本能を持つものがいます。
これは動物行動学で使用されている言葉で、急にガラリと食べ物の好みが変わる現象のことを言います。
猫は人間に飼われるようになりましたが、元は野生動物です。そのため、この「食物バラエティメカニズム」のおかげで、たまに好みがガラッと変わってしまうことがあるのです。
では、なぜ野生動物にはそのようなメカニズムが必要なのでしょうか。
毎回同じものだけ食べていると、それを食い尽くしてしまうことがあります。
すると、食べられるものがなくなり、捕食していた動物も餓死してしまいます。
また、食い尽くさなくとも、疫病の流行などが理由で、エサとなる動物が激減してしまうこともあります。
こういった危機を乗り越えるため、野生の動物は食の好みを変化させるのです。
猫に例えるなら、ネズミだけ食べていたらネズミが全滅してしまうので、もしものときに備えて鳥やモグラなども食べられるようにしておくといったところでしょうか。
猫によってはずっと同じフードしか食べないという子もいますが、それは野性の本能を忘れた状態です。
突然これまでのフードを食べなくなっても、他のフードは食べるようでしたら心配はいりません。うちの子にも、まだ野性が残っていたんだなと思って、食べられるフードをあげましょう。
年齢で好みが変わることも
人間も年齢によって好みが変わりますよね。子供の頃は甘いお菓子が好きだったのに大人になったら苦手になったり、若い頃は脂っこい食事が好きだったのに中年になったらさっぱりしたものが好きになったりします。
これは猫でも同じことです。子猫、成猫、老猫で自然と好みが変わってきます。
また、必要な栄養素のバランスや量も違うため、きちんと年齢にあったエサを与えるようにしましょう。
まとめ
猫が同じキャットフードしか食べなかったり、急に好みが変わること等は珍しいことではありません。
但し、猫の様子がおかしかったり気になるところがあれば早めに動物病院で獣医さんに相談してみましょう。
- 猫が急に好みをかえるのは珍しいことではありません。
- 猫は人に飼われるようになったんだから「食物バラエティメカニズム」は必要なくなったと思うかもしれませんが、じつはそうとばかりは言い切れません。
- むしろ決まったエサだけ食べていると、その商品が廃盤になってしまったときなどは困ってしまいます。
- これまでのフードを食べなくなり、かわりのものを食べるようでしたら心配はいりませんが、食欲がなかったり、元気がない場合は、獣医さんに診てもらいましょう。
- 一日経ってもなにも食べなかったら病院へ連れて行ってください。空腹が続くと健康を害すことがあります。
- また、病気が原因で食欲がないことがあり、そういった場合は早期発見が鍵です。