猫の腎臓向け準療法食(総合栄養食・副食)の一覧

このページでは猫の「腎臓ケア」に対応したプレミアムキャットフードのドライフードとウェットフードを紹介しています。悩みに対応した健康維持フードは準療法食（準療養食）とも呼ばれています。総合栄養食と水分・栄養補給等を兼ねた副食があり、多くは前者になります。

総合栄養食の準療法食の特徴としては「特定疾患向けの療法食」と「総合栄養食」の両方の性質を持っています。疾患向けに療法食に近い成分の配合率を目指しつつ、毎日食べることで健康を維持できる内容となっています。

各商品の成分、価格等の比較まとめリストは記事の最後にあります。

あくまでも病気の予防のためのフードであり、治療や完治のためのフード（食事療法食）ではありませんので気を付けてください。

高齢猫向けはほとんどが腎臓配慮フード

腎臓配慮の総合栄養食は、推奨年齢が大きく２つに分かれます。

高齢になってきた猫ちゃん、衰えが見え始めてきた猫ちゃん向け（10歳前後以上）のもの

高齢の猫はほとんどの場合で腎臓の衰えがあります。そのため、商品名等に「腎臓」に関する記述がなくても「高齢猫向きのフード」のほとんどが腎臓への配慮としてリン量等が調整されています。

インターネット上の商品紹介ページやパッケージ裏面などにそういった記載が見られることもありますので、推奨年齢が記載された高齢猫向きフードを購入する際は参考にしてみてください。

成猫（1歳以上）向けのもの

特定の悩みに合わせ調整されたフードで、高齢猫向けより成猫に必要な栄養素が多く含まれており、若い猫でも十分なカロリーや栄養素が補えるようになっています。高齢前に腎臓の数値が気になるような場合はこれらフードを与えてみましょう。

取り扱いブランドの傾向

腎臓サポートフードは「主要の海外キャットフードブランド」と「国内ブランド」での取り扱いがほとんどです。あまり名前の知られていない海外ブランドは需要等の問題で、日本での取り扱いはほぼなく、療法食ではわずかにみられます。

一方で国内ブランドは悩み別のフードバリエーションが豊富で、高齢猫向けも推奨年齢が細かに分かれています。小分け包装など国産商品ならではの配慮が多くみられます。

どれを選ぶかは飼い主さんと愛猫ちゃんの好み次第ですが、何らかの体調の悩みを抱える猫の場合は、愛猫の健康のためにもなるべく質の良いフード（プレミアムキャットフード）を選ぶことをオススメいたします。

プレミアムキャットフードではないもの（比較的安価のキャットフード）にも腎臓ケアフードはありますが、このページではプレミアムキャットフードの腎臓ケア対応商品のみを扱っています。

ウェットフードのバリエーションについて

腎臓に配慮した総合栄養食は、ドライフードは高齢猫向けも含め種類がそれなりにあるものの、ウェットフードに関してはあまり種類がありません。

その理由のひとつとして考えられるのが「腎不全向けの食事療法食」の存在です。腎臓の衰えにより体調変化が目に見えるほどになると、かなり症状が進行しているため、準療法食ではなく食事療法食の供与が必要になるためです。

市場をみても、猫の腎臓配慮フードは「予防」のための準療法食より、「治療」（※進行を遅らせる）のための食事療法食のほうがバリエーションが豊富で、需要も多い傾向にあります。

高齢猫の場合は歯が少なくなったり、なくなったり、噛む力が弱くなったりして大粒のドライフードが食べにくくなる猫ちゃんが多くなります。また嗅覚の衰えから、ドライフードよりニオイの強めなウェットフードを好む猫ちゃんもいます。

そのためウェットを利用したい場合は「高齢猫向けのもので成分表を確認してなるべく腎臓に配慮したものを選ぶ」か「食事療法食への切り替え」を検討しましょう。

ただし食事療法食の供与は獣医師の指導が必要になります。現在通常の総合栄養食や準療法食を与えている場合は、動物病院で食事の切り替えのタイミング等を相談し、指導を受けるといいでしょう。

サイエンス・ダイエット<プロ>の猫用「準療法食」健康ガード腎臓・心臓7歳～

ヒルズのサイエンス・ダイエット<プロ>猫用は、健康維持を考えたドライフードブランド。「健康ガード腎臓・心臓　7歳～」は、高齢になって腎臓疾患や心臓疾患の不安が出てきた猫ちゃん向けとなっています。

腎臓と心臓を守りつつ身体全体の健康維持に

たんぱく質とミネラル類を独自にブレンド、ナトリウムとリンを調整して腎臓と心臓の健康を守りつつ下部尿路ケアができます。タウリン配合で心臓と目のサポートも。

抗酸化成分ビタミンE＆Cで免疫力を保ち、オメガ3＆6脂肪酸で健康な皮膚と被毛の維持に役立ちます。

猫の味覚を分析して、高品質チキン生肉とフルーツ、野菜などの天然素材で仕上げつつ食物繊維を配合して健康的な便に配慮。自然派成分で酸化防止をし、無着色に仕上がっています。

返金にも対応する満足保証

レシートとパッケージを含む残り製品があれば、購入後30日以内の返金対応も行っています。

容量は3種ありますが、一番大きい3kgは500g×6袋の小分け仕様で便利。まずは少量パックの300gで試して、継続的に与えたいときは大きいパッケージを利用するといいでしょう。

ヒルズサイエンスダイエットPRO「健康ガード　腎臓・心臓　7歳～」の詳細

中～老齢猫向けロイヤルカナンのベッツプランTMエイジングケアプラス

ロイヤルカナンのベッツプランTMブランドは、動物病院おすすめの総合栄養食ブランド。そのなかのエイジングケアシリーズは、中・高齢、老齢猫ちゃんにあった健康維持用フードとなっています。すべての商品が腎臓の健康維持に配慮しリン量を調整しています。

健康診断をしつつ上手なフード切り替えを

「エイジングケア」は関節や腎機能の衰えがまだ見られない中・高齢猫向けで、「エイジングケアプラス」が関節や腎機能に衰えが見られる高・老齢猫向けです。

他メーカーでは年齢別で表記されていることが多いですが、ロイヤルカナンは推奨年齢の数字記載はありません。大体エイジングケアが7歳位～、エイジングケアプラスが10歳位～が目安となりますが、獣医師と相談しつつ選ぶといいでしょう。

高齢でやせてきた猫ちゃんにも対応

抗活性酸素物質（ビタミンC、E、ルテイン、タウリン）を配合して腎臓健康維持に。緑イ貝、グルコサミン、コンドロイチンで関節の健康維持にも配慮しています。

また脳の健康、筋肉量の維持、下部尿路ケアにも配慮した配合になっています。

フードの種類は2種類で、体形に合わせた（通常or痩せ気味）選択ができます。痩せ気味の猫ちゃんには高脂肪タイプを与えることで、適切で健康的な体形維持を目指せます。

原材料は消化率90％以上の超高消化性小麦グルテンや鶏、七面鳥などを使用。フラクトオリゴ糖や、葉酸なども配合されています。

猫用ロイヤルカナンベッツプランTM　エイジングケアプラスステージの詳細

シニア猫向け総合栄養食ハッピーキャットのベストエイジ10+

ハッピーキャットのスプリームシリーズは、健康維持のための猫用総合栄養食。その中のひとつである「ベストエイジ10+」はドイツ製ヒューマングレード（無添加フード）のシニア猫用で、全猫種に対応した極小粒で食べやすくなっています。製品名の通り、10歳以上向けのフードです。

腎臓・肝臓・心臓に配慮した配合

ベストエイジ10+は加齢による代謝の衰えにあわせ消化吸収しやすいように配慮。腎臓・肝臓・心臓に配慮してたんぱく質とリン、ナトリウムを控えめにしつつもカロリーを大きく減らさないようにしています。

必須アミノ酸のタウリン配合

消化吸収に優れたチキン・サーモン・ラム、新鮮な果物と野菜、ナチュラル食材、各種ハーブ、ビタミン、ミネラルをバランスよく配合。尿石形成抑制に配慮してミネラルを調整しつつ、天然食物繊維でヘアボールコントロールができます。必須アミノ酸タウリンが1000mg/kg配合され健康な身体つくりをサポート。ユッカシジゲラで排泄物のニオイにも配慮します。

ハッピーキャットのスプリーム「ベストエイジ10+」シニア猫向けの詳細

腎臓の健康維持向けイースタープロステージ　ル・シャット「デトレ」と「デトレpH」

国産メーカー、イースター株式会社の「プロステージ　ル・シャット」シリーズは、猫の健康維持のために開発されたプロショップ専用フード。獣医師の指導と協力のもと良質原料を使い、食のチカラで健康の質を高めるために開発された総合栄養食です。悩み別に数種類用意されています。

腎臓と尿pH、免疫の維持などに配慮

ル・シャットシリーズで腎臓ケアに対応しているのは2種類。いずれも合成着色料、合成保存料は不使用の国産品で高脂肪のドライフードです。

デトレ（腎臓の健康維持に配慮）赤いパッケージ

☆配慮度（5段階表示、公式サイトより）

デトレpH（腎臓と尿pHの健康維持に配慮）ピンクのパッケージ

腎臓の健康維持には活性炭（ヘルスカーボンR）を配合し、お腹には高濃度乳酸菌（EC-12株）とオリゴ糖配合して配慮しています。

免疫力には高機能ビタミンCを、食物アレルギーへの配慮として小麦・大豆・トウモロコシは不使用で主原料にポークとお米を使用しています。

尿pHには微量成分の調整と、メチオニンを配合して適正な値維持配慮を、下部尿路の健康維持にマグネシウムとナトリウムを調整しています。

成猫対応の腎臓に配慮したフード

腎臓へ配慮した総合栄養食は高齢猫向けが多い中、こちらの商品は成猫向けです。年齢的に他のメーカーの腎臓配慮フードでは早いということなら、こちらを試してみるといいでしょう。

イースター　プロステージ　ル・シャット　腎臓配慮フードの詳細

腎臓の健康維持サポート日清「JPスタイル和の究み」腎臓ガード

国産ペットフードメーカーの日清では、腎臓サポート向けの「準療法食」と「特別療法食」の両方を扱っています。

特別療法食は動物病院でのみの販売のため手に入れづらいことから、まずはこちらの準療法食から試して、愛猫の好みを確認してみるのもいいでしょう。

毎日おいしい、鮮度が保てるフードパッケージ

獣医師開発の国産フードで、腎臓に配慮した低リン、低タンパク、低ナトリウム設計で、フェカリス菌とオリゴ糖により腸内フローラを整えます。

容量と味がいくつかあるものの、大入りのも1回ずつの小分けパックになっており鮮度抜群で与えることが可能。7～8ミリ程の円状の平べったい形状で食べやすくなっています。

〇和の究み、×和の極み

商品名は「和の究み（わのきわみ）」ですが、そのまま変換すると「和の極み」になりがちで、ネット通販では比較的後者の誤字のまま商品を探しているケースが多いようです。

同ブランドは腎臓向け以外にもいくつかシリーズがあるので、ネット購入する場合は商品名を確認しつつ、間違えないようにしましょう。

日清ペットフード　JPスタイル和の究み　セレクトヘルスケア腎臓ガードの詳細

日清「JPスタイル　和の究み　猫用レトルト」腎臓配慮ウェット

日清ペットフード株式会社の「JPスタイル　和の究み」シリーズは、国産のプレミアムキャットフードです。「猫の寿命を20歳まで伸ばしたい」を目標に、独自の健康プログラム「LIFE20」を導入し、研究を行っています。

腎臓配慮の準療法食ウェットフードはバリエーションがかなり少なく、同商品はその中のひとつでもあります。ただしライフサポートを兼ねた副食のため、できればドライフードの準療法食などと併用して与えるのがいいでしょう。

食欲がないときも食べやすい形状

「JPスタイル　和の究み　猫用レトルト」の腎臓の健康維持サポートは、ドロッとしたリゾットのような細かめフレークで、リンとナトリウムを調整し、主原料はマグロと米です。

食事療法食のウェットと比較する

準療法食のウェットは種類が少ないものの、食事療法食のウェットは種類が豊富なだけに、ウェット派の猫ちゃんと飼い主さんにはなかなか悩ましい所かと思います。このあたりは愛猫の食いつき具合もあるので、獣医師さんに相談してみるのもいいでしょう。

療法食の方では、スープ上のものやチューブやシリンジで与えられるものもありますので、体調も考慮して検討しましょう。

日清「JPスタイル　和の究み　猫用レトルト」腎臓の健康維持サポートの詳細

ピュリナ ワンの「優しく腎臓の健康サポート」11歳以上向け

ピュリナ ワンはペット専門栄養士による栄養設計。健康6要素に必要な栄養をバランスよく満たしたプレミアムフードです。ネスレグループのブランドのひとつで、他にモンプチ、ワンランク上のピュリナワンプロプランなどもあります。国内の大手メーカーのため、サイトも情報量が充実しています。

栄養面やコスパなどで総合的に評価が高、利用者が多くみられます。悩み別や年齢別のフードがある、無添加、個包装、定期購入だと安くなるといった大手メーカーならではの配慮も見られます。

高タンパク設定。腎臓、関節、おなかにも配慮

「優しく腎臓の健康サポート」は11歳以上向けの商品で、高齢猫の腎臓健康維持フードです。良質なたんぱく質を使い、タウリンやオリゴ糖も配合。天然グルコサミンとコラーゲンで関節の健康維持にも配慮。味にこだわった新鮮チキンを使っています。

ピュリナワンの腎臓ケアフードは他商品と比べ高タンパクになっています（記事一番下のリスト参照）。原材料でも最初に「チキン」が表記されるなど、うまみへのこだわりが見られます。

無料やワンコイン試食キャンペーンを利用しよう

不定期ですが1カ月の無料お試しキャンペーン、新商品のワンコインキャンペーンなどが行われることがあります。サンプル品が出回ることも。

公式サイト上で告知が行われていますので、そういった機会を利用して試してみるのもオススメです。

また、大手通販サイトで購入するよりも公式サイトでの定期購入が非常に安くなっています。定期購入登録者にはポイントや猫おもちゃ、おやつの全員プレゼントもあるので、気に入ったら短期間でも試してみるとお得です。

ピュリナワン「優しく腎臓の健康サポート」11歳以上チキンの詳細

カトフの腎臓配慮フード「レナル アンキシャス ケアダイエット」

カトフ(Katffu)シリーズは、オランダの獣医師が愛猫の体調管理と健康維持のために考えたヘルスマネージメントフードです。日本ではあらゆるペット製品や動物園向け製品を扱うメディマルが取り扱っています。

7歳頃に対応した腎臓ケアフード

「レナル　アンキシャス　ケア　ダイエット」は腎臓が気になる高齢猫用として、推奨が7歳以上となっています。

リン、ナトリウムを調整し、たんぱく質を制限。DHAとEPA、さらには全身の衰えに配慮したミックス天然系抗酸化成分も配合。

腸内細菌バランスに配慮し可溶性食物繊維を配合しています。酸化防止剤には天然トコフェロール（ビタミンE）が使用されています。

ギブルサイズは少し大きめの三角形です。

価格の高さと取扱店の少なさがネック

カトフシリーズは大手通販サイトで購入できますが取扱店が少なく、パッケージも1kg入りのみで、価格もやや高めになっています。サンプル品を取り扱っているお店もあるので、まずはそちらを試してみるといいでしょう。

カトフ「レナル アンキシャス ケア ダイエット」腎臓が気になる高齢猫用の詳細

腎臓配慮の猫ご飯（準療法食）のまとめ